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オプティ株式会社Sep 5, 2023 11:30:15 PM1 min read

VAT登録で失敗してしまう企業の11の特徴

Amazon、eBay、 Shopify、コロナ渦において世界で拡大し、今でやあらゆる企業が注目する「越境EC(E-commerce)」。越境ECはサイト作成後数分後から販売開始でき、世界の市場からの新たな売上機会になるといった良い面は紹介されます。反面、現地の税金や、様々なコストについてはあまり共有されていません。VATなど現地の税金は、販売者が現地の購入者に課税・徴収しますが、越境ECの場合でも課税・徴収・申告の場合は発生します。

税理士や弁護士等、様々な国内の専門家であれ、海外の税務や法務の知見が有る訳ではありません。

このコラムでは、越境ECの税務面について、豊富な経験を有するオプティ株式会社が「越境EC税務ナビ」としてQ&A形式で提供します。

当越境EC税務ナビが、越境ECを考えている様々な企業のお役立ちになれば幸いです。

ekkyo-question

Q, 現在AmazonUSで販売をしています。また、AmazonドイツやフランスではAmazonUSと比べて粗利を高く取れると聞き、海外のサイトでVAT登録をしようとしてみました。しかし、質問しても何も回答も得られず、結局1年経過してもいっこうにVAT番号が取れませんでした。このため、オプティさんでお願いしようと思っています。VAT登録を失敗する人はどんな特徴がありますか。またどのようなことに気をつけたらスムーズにVAT番号が取れますか。

ekkyo-answer

A. 越境ECに限らず、VAT登録で時間が掛かる方は多いです。VAT登録に失敗する人の特徴を下記に記します。是非ご参考にしてみてくださいませ。

 

1. VAT登録は業者任せで良いと思っているご担当者

  • VAT登録は法人設立以上に大変なプロセス
  • 自社が主体とならないと先に進まないことを理解する

 

2. 書類提出直前に大事な事実や商流変更を後から言うご担当者

  • VAT登録書類の修正となり、税務当局の印象が悪化
  • 一つの小さな事実で課税関係が一切変わってしまい、課税対象行為が不在となる場合も

 

3. 書類提出後に大事な事実や商流変更を後から言うご担当者

  • 税務当局の印象が相当悪化

 

 

4. 必要書類をなるべく減らそうとするご担当者

  • 必要書類準備のために、大手企業は社長すら署名する
  • VAT登録は法人設立以上に大変で成功確率が低いことを理解する

 

 

5. 書類提出期限があることを無視する人

  • VAT登録は法人設立以上に大変なプロセス
  • 自社が主体とならないと先に進まないことを理解する

 

 

 

5. 同じことを何度も聞く担当者

  • VAT登録は法人設立以上に大変なプロセス
  • 自社が主体とならないと先に進まないことを理解する

 

 

 

6. スケジュール管理ができない人、しようとしない担当者

  • VAT登録は法人設立以上に大変なプロセス
  • 自社が主体とならないと先に進まないことを理解する

 

 

 

7. VAT登録は100人提出したら90人が取れると楽観視する担当者

  • VAT登録は法人設立以上に大変なプロセス
  • 自社が主体とならないと先に進まないことを理解する

 

 

8. 他社事例が自社に当てはまると勘違いする担当者

  • VAT登録は法人設立以上に大変なプロセス
  • 自社が主体とならないと先に進まないことを理解する

 

 

9. ヒト・モノ・カネのリソースを投入しない企業

  • VAT登録は法人設立以上に大変なプロセス
  • 自社が主体とならないと先に進まないことを理解する

 

10. 納税の意識がない企業、単にAmazonアカウント開設目的の企業

  • VAT登録は法人設立以上に大変なプロセス
  • 自社が主体とならないと先に進まないことを理解する

 

 

 

11. 定量的な目標や夢がない企業

  • VAT登録は法人設立以上に大変なプロセス
  • 自社が主体とならないと先に進まないことを理解する

 

 

<踏むべきステップ>

1. 自社の現状を洗い出す

  • 日本の個人なのか法人なのか。
  • 米国に法人を設立したのか。
  • 過去にAmazon米国やIndiegogoで販売したことがあるのか。その場合、直送か倉庫利用だったのか。
  • 現地で倉庫利用の有無や、指揮監督下にある人間や営業行為を行う人がいるか。
  • クラウドファンディングは、①販売型か、②株式型か、③寄付型か。どれに該当しそうか。

2. 将来どうなりたいか、どうしたいのか

  • 売上高をどの程度まで大きくしたいのか。
  • そのために、直送販売をするのか、倉庫利用をするのか。
  • 倉庫利用の場合は、どの程度の資産を投入するのか。
  • ShopifyやBASEなどの自社サイトや、Amazonなどのマーケットプレイスを使っても販売したいか。その場合の倉庫地はどこか。
  • 過去に数多くの販売を行なっていて、現地の税制上課税対象行為であった場合に、自主開示の減額措置などを利用して過去の分の税金を納めるか、それとも延滞税覚悟で静観するのか。

3. 税制の確認

  • 調査したい税目は何か(連邦法人税、州法人税、州売上税、州資産税)など。
  • PE分析なども調査するか。
  • 税制調査のためにどのようなアプローチをするか。
    (有償調査、無償でサイト検索、同業のセラー仲間への確認等)

 

まずは自社の現状を洗い出します。その後、将来どのような販売方法にしたいかを明確化します。その上で該当する現地税制や日米租税条約等を確認する必要があります。

当社にご連絡頂くお客様でも、数多くのタイプのお客様がおります。日本の多くの中小企業の本年としては分からない税金は払いたくない、が本音だと思います。
また、現状で問題ないなら、また他のセラーが対応していないなら、今のままで良いと思う方も多いと思います。
その一方で、現地の税制上、売上税のネクサスだけでなく、州法人税や資産税のネクサスなども該当するケースも多発しています。当社でも過去数年分のEC販売の売上データを元に過去分申告を行なった何度も行なってきております。

まとめ

  • 米国Indiegogo販売の場合でも、倉庫利用州において売上税ネクサスが発生すると考えられる。
  • Indiegogoがマーケットプレイス・ファシリテーターであるかと考えるのは難しいであろうこと。
  • その他米国の税金(連邦法人税、州法人税、州売上税、州資産税など)に注意する必要があること。
  • このブログ上の判断については、個別の会社毎のビジネス条件を確認した上で、課税判断を行う必要がある。条件が一つでも異なると課税結果が全く異なるものになることに留意すること。

 

当社では米国売上税のアドバイザリーサービスを行っており、数多くの日本企業への売上税アドバイス及び売上税申告を行っています。また過去の販売額についての自主開示した場合のリスク分析、実際の自主開示対応なども実施しています。

詳しくはお問い合わせ願います。

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<免責事項>

このブログでの説明はあくまでもブログ執筆時点の一般的な見解です。米国の税務アドバイスは非常に複雑です。契約内容、在庫地、商品種別、販売先、プラットフォーマー利用有無、販売時点などの多くの条件を伺った上で各州の該当条文を確認して初めて、解が出せるものです。またそのためには米国内の弁護士や会計士などと確認する作業があります。プラットフォーマーの定義にせよ、在庫の定義にせよ、州によって異なります。このブログでの記載事項を元にしたいかなるビジネス上の判断について当社では一切責任を負いかねますのでご了承願います。より正確なアドバイスが必要な場合当社の有償税務アドバイザリーサービスをご検討願います。

 

 

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オプティ株式会社では間接税を中心として国際税務に関するコンサルティングを実施しています。

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