【玄人向け!?】欧州Amazonは超穴場市場!!

こんにちは!オプティ株式会社の寄吉です。

前回は越境EC市場で特にアメリカEC市場についてご紹介しました。アメリカEC市場が日本EC市場よりも市場規模も成長率も高いことはご理解頂けたかと思います。世界のEC市場では、アメリカEC市場よりも大きい市場があるのをご存知でしょうか。

それは、欧州EC市場です。

今回は、アメリカEC市場よりも市場規模の大きい欧州EC市場の魅力や参入障壁、お勧めの販売方法についてもご紹介します。

Eiffel tower, Paris. France

【1】アメリカよりも巨大な欧州EC市場

まずは、欧州のEC市場規模について紹介します。European Ecommerce Report 2017の情報によると、欧州全土のEC市場規模は2016年が5300億ユーロ(約68.9兆円)で伸び率が15%、2017年が6020億ユーロ(約78.3兆円)で伸び率が14%でした。

【出所】https://www.ecommerce-europe.eu/press-item/european-ecommerce-report-2017-released-ecommerce-continues-prosper-europe-markets-grow-different-speeds/

その中でも、イギリスが欧州全土の33%の市場規模を占め、イギリス、ドイツ、フランスの市場規模を合計すると、欧州全土の約70%を占めています。この3ヵ国の市場規模のみで約4200億ユーロ(約54.8兆円)と、前回紹介した2017年アメリカEC市場規模の4468億米ドル(約49兆円)よりも大きいことがわかります。

欧州での販売について、数あるマーケットプレイスがある中でもAmazonを利用することで、アメリカ同様に欧州で商品を販売することが出来ます。つまり、アメリカ以上の市場規模のある欧州EC市場は、アメリカ以上に可能性のある市場だと言えます。

 

【2】VATが参入障壁となりブルーオーシャン

欧州EC市場は可能性がある市場と言えますが、越境ECセラーで欧州を選ぶ人はそう多くはありません。数ある越境ECセラーのブログを見ても、アメリカでの販売や中国での販売が大半です。なぜ、欧州EC市場は大きな市場であるにも関わらず欧州ECセラーが少ないのでしょうか。

それは、税の取扱いが複雑で参入障壁になっているからです。

欧州ではVAT(付加価値税)という、日本でいう消費税のような間接税があります。欧州EC市場で販売する際、販売方法によってはVAT登録(現地での税務登録)の義務が発生するケースや、VAT税務登録を行わなくても良いケースがあり、とても複雑です。

本来VAT登録を行う必要があるにも関わらずVAT登録をせず欧州で販売を行い、現地税務当局から追徴課税や罰則を掛けられるケースがあります。

こうしたVATの取扱いの難しさが参入障壁となり、欧州EC市場は一般的にブルーオーシャンであると言われています。つまり、VATの取扱いさえクリアになれば、アメリカよりも巨大でかつブルーオーシャンな欧州EC市場に参入可能となります。VATについては大変複雑な為、VATの専門家を活用し、コンプライアンスに則った欧州EC市場参入をお勧めします。

 

【3】Amazonを活用し欧州全土へ販売しましょう

ここでは、欧州Amazonにおける初心者~中級者向けの販売方法についてご紹介します。欧州Amazonでの販売には主に3つの方法があります。

①日本から国際郵便で直送する方法
②欧州1ヵ国のFBA倉庫を利用して、FBA倉庫所在国のみで販売する方法
③欧州1ヵ国のFBA倉庫を利用して、欧州全土で販売する方法

上記の販売方法それぞれについて簡単に紹介します。

①日本から国際郵便で直送する方法(初心者向け)

欧州Amazonでアカウントを開設し、注文がある度に日本から国際郵便で直送する販売方法です。この場合、VAT登録をせずに欧州Amazonで販売することが出来ます。日本から国際郵便で直送する販売方法が一番簡単かと思われますが、ある落とし穴があります。それは、Amazonの規約に抵触する可能性があるということです。

この販売方法の場合、輸入VATという税を顧客が支払う義務が発生します。つまり、顧客が商品を購入して手元に届く時に想定していない税金を払うことになります。これは、出品者の禁止活動及び行為というAmazonの規約に抵触する可能性があり、アカウント凍結リスクが大きな販売方法となり、お勧めしておりません。

②欧州1ヵ国のFBA倉庫を利用して、FBA所在国のみで販売する方法(初心者向け)

 

欧州Amazonでアカウントを開設し、欧州1ヵ国のFBA倉庫を利用して、FBA倉庫所在国のみで販売する方法です。例えば、イギリスのFBA倉庫を利用してイギリスの顧客に販売する方法です。この場合、FBA倉庫のあるイギリスでVAT登録を行う必要があります。

ドイツのFBA倉庫を利用した場合、ドイツでVAT登録を行う必要があります。VAT登録を行うと税務申告の義務もあるので、注意が必要です。

FBA倉庫を利用した販売を行う場合、Amazonの規約に抵触することも無く、コンプライアンスに則った販売をすることが出来ます。まず欧州1ヵ国から販売を始め、欧州EC市場での売れ行きを確認する場合によく利用されます。欧州Amazonをこれから始める場合、お勧めの販売方法です。

③欧州1ヵ国のFBA倉庫を利用して、欧州全土で販売する方法(中級者向け)

欧州Amazonでアカウントを開設し、欧州1ヵ国のFBA倉庫を利用して、欧州全土で販売する方法です。例えば、イギリスのFBA倉庫を利用して欧州全土の顧客に販売する方法です。この場合、FBA倉庫のあるイギリスでのみVAT登録を行い、欧州全土の顧客に販売することが出来ます。

※税の取扱いについて様々な制約がある為、注意が必要です。

この場合、1ヵ国のVAT登録のみで手軽にアメリカよりも大きく、ブルーオーシャンな欧州全土のEC市場で販売することが出来ます。欧州でこれから販売を拡大したいという方に人気の販売方法です。しかし、税務の取扱いが1ヵ国のみで販売するよりも複雑になるので、VATの専門家に相談しながら販売することが重要です。

【4】VATの取扱いは専門家に任せましょう

これまで、欧州EC市場がアメリカよりも大きくかつ、VATの取扱いが難しくブルーオーシャンであることをご紹介させて頂きました。恐らく『税の取扱いが複雑でなんとなく難しいな』と思われた方も多いかと思います。

VATについて自身でゼロから対応しようとすると、外国語でかつ専門性の高い分野になる為、膨大な時間が掛かります。VATの対応で忙しく欧州ECでの販売に注力することが出来なかった、独自でVATの対応したところ間違いがあり追徴課税があったという話もよく聞きます。

VATについてハードルがあるかと思いますが、VATの取扱いについては専門家に任せて、巨大でかつブルーオーシャンな欧州EC市場で販売に専念することをお勧めします。

 

300_300_disclaimer
 
免責事項
当コラムには一般的な情報のみが掲載されており、読者のみなさまご自身のリスクにおいてご使用いただくことを前提としています。また、情報の精度向上には努めておるものの不正確な情報を掲載することもあります。当コラムの読者のみなさまは、何らかの決定を下したり行動をとったりする前に、適切な資格を有する専門家にご相談いただく必要があり、当コラムを使用したことに起因する損失のリスクおよび責任は全て、当コラムの読者のみなさまご自身に負っていただくものです。

人気の記事

オプティ メディアサイト
新規CTA
国別VATデータベース