2024年12月13日、EU(欧州連合)において「一般製品安全規則(General Product Safety Regulation: GPSR)」が全面的に発効しました。この規則は、従来の一般製品安全指令(GPSD)に代わるものであり、デジタル化の進展やeコマースの拡大に対応した新たな消費者保護の枠組みとして位置づけられています。
本記事では、GPSRの概要と、特にゲーム業界やデジタルコンテンツ業界に携わる事業担当者の方々が押さえておくべきポイントについて解説いたします。
【目次】
1. GPSRとは何か
2. なぜゲーム・デジタルコンテンツ業界でGPSRへの対応が必要とされるのか
3. GPSRの主な要件
4. ゲーム業界における具体的なリスク
5. 違反した場合に想定されるリスク
6. 事業者が検討すべき対応事項
7. まとめ
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1. GPSRとは何か
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GPSR(General Product Safety Regulation)は、EU域内で販売される消費者向け製品の安全性を確保するための規則です。2023年5月に公布され、2024年12月13日から全面的に適用が開始されました。
従来のGPSD(General Product Safety Directive: 一般製品安全指令)は2001年に制定されたものであり、当時はオンライン販売やデジタル製品の普及が現在ほど進んでいませんでした。約20年の間に市場環境は大きく変化し、eコマースの急成長やデジタル製品・サービスの多様化に伴い、消費者保護の観点から規制の見直しが求められるようになりました。
GPSRは、こうした市場の変化に対応するために策定された規則であり、以下のような特徴を持っています。
・従来の「指令(Directive)」から「規則(Regulation)」へと法的形式が変更され、EU加盟国における直接適用が可能に
・オンラインマーケットプレイスに対する新たな義務の導入
・デジタル製品やソフトウェアを含む幅広い製品への適用
・製品のトレーサビリティ強化
・リコール時の消費者対応の改善
出所:European Commission「EU's General Product Safety Regulation (GPSR): A New Era of Consumer Protection」